1. 消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)の希釈早見表
ピューラックスのキャップを約7mL、ハイターのキャップを約25mLとしています。
必要濃度 | 使用目的 | 作りたい量 | 500ml | 1L | 1.5L | 2L |
0.02% | ドアノブ、手すり、スイッチ、おもちゃ、遊具、テーブル、椅子 | 量(mL) | 1.67ml | 8mL | 13mL | 17mL |
ピューラックスキャップ | 1/3杯 | 1.2杯 | 2杯 | 2.5杯 | ||
ハイターキャップ | 1/15杯 | 2/5杯 | 3/5杯 | 4/5杯 | ||
0.1% | 便や嘔吐物が付着した便座や床など | 量(mL) | 8.33ml | 17mL | 25mL | 33.3mL |
ピューラックスキャップ | 1.2杯 | 2.5杯 | 3.6杯 | 5杯 | ||
ハイターキャップ | 0.4杯 | 0.7杯 | 1杯 | 1.3杯 |
次亜塩素酸ナトリウムの希釈液は、時間が経つにつれ有効濃度が減少します。
都度、作りましょう。
2. 嘔吐物の飛び散る範囲
嘔吐物は想像以上に遠くまで飛び散ります。床から1mの高さから吐くと、嘔吐物が飛び散る範囲は約2〜3mです。そのため、広範囲の消毒が必要です。
3. 必要物品
嘔吐時に慌てないように各部屋に1セットずつ蓋付きのバケツに入れ、あらかじめ必要物品を準備しておきましょう。
- マスク
- ペットシートもしくは新聞紙(5日分ほど)
- 不織布キャップ
- ガウン
- シューズカバー
- 手袋3セット
- ゴミ袋2枚
- 大きめのレジ袋2枚(汚染した衣類を入れるため)
- ペーパータオル
- 計量カップ(予め34mlに線を引いておく)
- 水拭き用の雑巾
4. 嘔吐物処理の手順
4月と10月頃に、職員全体への研修を行います。
- 嘔吐を発見した人はすぐに役割分担の指示を出します。(子どもたちの避難担当、患児のケア担当、嘔吐処理担当)。
※嘔吐処理を担当した職員は、その後、食事介助・配膳・調理・授乳は行えません。 - 周りの人を避難させた後、速やかに嘔吐処理の準備をします。
【準備】
1) 嘔吐処理セットを持ってきます。
2) 嘔吐処理の担当者はマスク、ガウン、手袋(三重にする)、フットカバー、キャップを着用します。
※感染を拡大させないために、嘔吐した子どもの2〜3m以内に居た職員が嘔吐処理を行うようにしましょう。
3) 嘔吐処理担当者が着替えている間に、近くにいる職員に希釈液を作成してもらいます。
希釈液は、バケツの内側に2ℓの線を引いておき、規定の量の次亜塩素酸を入れるだけにしておくと誰でも簡単に作 ることができます。
4) 嘔吐物を入れるビニール袋を自分のそばに広げて準備します。 - 嘔吐で子どもの衣類が汚れている場合は、防護具を着用した嘔吐処理担当職員が不潔エリアで脱がせます。新しい衣類を着用する際には、清潔エリアで着替えを行います。
着替え後は、別室で隔離します。
※汚染した衣類は、洗い流さずに二重にした袋に入れ、蓋付きバケツで園外保管します。
※子どもをシャワー等で清潔にする場合は、使用後、必ず洗い場を0.1%の次亜塩素酸希釈液で消毒してください。(衣類を洗う場合も同じです) - ガウンに着替えたらペットシートや新聞紙を嘔吐物の上に静かにかけます。
- 嘔吐物を覆った後、窓を2か所以上開けて30分ほど換気をします。
- 嘔吐物は外側から内側に向けて包み込むように取り除き、ビニール袋に入れ、1枚目の手袋を外します。
- 嘔吐物をすべて取り除いたら、汚染された床を消毒するため新聞紙を広範囲(2〜3m)に敷き、0.1%の次亜塩素酸希釈液を床が水浸しになるくらいかけて10〜15分放置します。
※汚染された布製品は、破棄しましょう。 - 希釈液の上に乗りシューズカバーの底面を消毒しましょう。
- 10〜15分が経過したら、外側から内側にかけてペーパータオルで床面を拭き取りゴミ袋に捨てます。
その後、腐食防止のため使い捨ての雑巾で水拭きします。
水拭きしている間に、ゴミ袋に入れる0.1%の次亜塩素酸希釈液をバケツに用意してもらいます。 - ガウンや2枚目の手袋など覆っていたものをゴミ袋に捨てたら、0.1%の次亜塩素酸希釈液をゴミ袋の中に入れ、空気を抜かないように密封します。
【防護具の外し方】
1) 手袋
2) 手指消毒
3) ヘアキャップ
4) ガウン
5) 手指消毒
6) マスク
7) シューズカバー
8) 手指消毒 - 密封したゴミ袋をもう一枚のゴミ袋に入れ二重にし、園外のゴミ置き場に持っていきます。
- 処理後に3枚目の手袋を外し、手洗い、うがいをする。
5. 嘔吐物で汚染した食器の消毒方法
1) 嘔吐物はペーパータオルで取り除きます。
2) 調理室に報告に行きます。
3) 0.1%の次亜塩素酸希釈液に15分つけます。
※ 食器をつける消毒液は、嘔吐処理をしてない職員が作って渡します。
4) 消毒後の食器は、水洗いせずにビニール袋に入れ、指示された場所まで返却します。
※汚染されていない食器とは別にします。