1. はじめに
けが報告書の集計業務は、保育園で発生したけがの状況を把握し、再発防止策を講じるために重要です。このマニュアルは、けが報告書の作成、集計、および分析の手順を提供します。
2. けが報告書の作成
けが発生時の対応
- 応急処置の実施: けがが発生した場合、まずは応急処置を行います(応急処置マニュアル参照)。
- けがの記録: けがの詳細をすぐに記録します。記録する内容は以下の通りです。
- 発生場所(保育室、廊下、トイレなど)
- 報告者氏名
- 発生日時
<発生時の状況> - 園児名
- 年齢・クラス
- 関与者(有・無)
- 現場にいた園児数
- 保育者数(◯名(担任◯名))
- 活動内容
- クラスの様子
<けがの内容> - 種類(擦り傷、切り傷、骨折など)
- 応急処置の内容(洗浄、止血、絆創膏、冷やすなど)
- けがの概要(原因と状況)
- けがの部位
- 発生時の見取り図
<原因分析・今後の対策>
<保護者対応> - お迎え時
- 翌日(保護者の様子、処置の変更の有無)
- 保護者への連絡: 速やかに保護者に連絡し、けがの状況と応急処置の内容を伝えます。
けが報告書の作成
- 報告書のフォーマット: けが報告書のフォーマットを用意します。必要な項目が網羅されていることを確認します。
- 詳細記入: けがの詳細を正確に記入し、応急処置の内容と保護者への連絡状況を記載します。
- 保存と共有: 完成した報告書を適切に保存し、必要な関係者(園長、保護者など)と共有します。
3. けが報告書の集計
報告書の収集
- 定期収集: けが報告書を定期的に収集し、集計作業を行います。月末や四半期ごとに集計することをお勧めします。
- 電子データの管理: 可能であれば、報告書を電子データとして管理し、効率的に集計できるようにします。
データの入力
- データベースの作成: 集計用のデータベースを作成し、けが報告書の内容を入力します。以下の項目を含めます。
- けがをした児童の名前
- けがの日時
- けがの種類
- 今後の改善策
- けがの原因と場所
- データの正確性確認: 入力データの正確性を確認し、誤入力がないかチェックします。
データの分析
- 統計分析: けがの発生頻度や傾向を分析します。例えば、以下のような分析を行います。
- 月別・週別のけがの発生件数
- けがの種類別件数
- 発生場所別件数
- 時間帯別件数
- グラフ化: 分析結果を視覚的にわかりやすくするため、グラフやチャートを作成します。エクセルや専用のデータ分析ツールを使用すると便利です。
4. 再発防止策の検討と実施
分析結果の共有
- 関係者との共有: 分析結果を園長や他のスタッフと会議や昼礼で共有し、全員がけがの状況を把握できるようにします。
- 保護者への報告: 必要に応じて、保護者会などで集計結果を報告し、再発防止策を検討します。
再発防止策の実施
- 原因の特定: けがの原因を特定し、改善が必要な点を洗い出します。
- 改善策の導入: 以下のような改善策を導入します。
- 危険箇所の修繕や改修
- 安全教育の強化
- 定期的な安全チェックの実施
- フォローアップ: 改善策の効果を定期的に確認し、必要に応じて追加の対策を講じます。
5. マニュアルの定期見直し
- 定期的な見直し: このマニュアルを定期的に見直し、最新の情報や状況に合わせて更新します。
- 職員からのフィードバック: 職員からの意見やフィードバックを取り入れ、実践的なマニュアルを維持します。